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​研究計画書について

大学院入試では、オリジナルの研究計画を考えて出願時に研究計画書を提出し、そして面接時に説明をすることが一般的です。
大学入試は基本的にペーパーテストが主体でしたが、なぜ大学院では研究計画が求められるのでしょうか?
端的にいえば、大学院は研究をするところだからです。

大学院は、修士課程では2年間、博士課程では3年間が通常です。
修士課程の2年間のうち、講義として受講する科目は、概ね20~30単位程度です。
多くは1年次で全て取得し終わり、2年次はほぼ全てを研究時間にあてます。
1年次でも、講義がある日も半分くらいは研究時間に使うでしょうし、講義が無い日は1日まるごと研究時間となります。
博士課程では講義はわずかで、ほぼ全てが研究時間です。

このように大学院での活動はほとんどが研究であるので、「何を研究したいのか」という点が、非常に重要になってきます。
そのために大学院入試では研究計画が必要で、かつ重視されるのです。

研究計画は、きちんとした研究教育を受けていない状態で作成すると、「内容の良し悪しの評価すら不可能なレベルのもの」が生み出されることがよくあります。
しかしこれは、多くの場合において受験生が悪いのではありません。
「研究とは何か」「研究計画とは何か」「研究計画の書き方はどういうものか」を教わる機会が無かったために生じています。
卒業研究で研究指導熱心な研究室やゼミに所属できればこの点はクリアできる可能性が高まりますが、そうでない場合は非常に困難な状況に置かれるといえます。

良い研究計画とは、端的に言ってしまえば、「研究計画としての作法を守っており、かつ研究計画として成り立っているもの」です。
研究教育を適切に受けることができたか、という点が、必要十分な品質の研究計画を提出できるかを大きく左右します。

ORRELSプラットフォームに登録されている講師の方々は、こういった教育を提供するサービスを用意しておりますので、不安に感じる方は、是非ご利用をご検討下さい。
以下に問題ある研究計画の例を挙げておりますが、講師達はこういった研究計画になってしまわないように、皆様を導きます。

 

 

NGな研究計画の例

研究のための計画ではない

大学は勉強が主体ですし、特に文系では研究室配属もありませんので、人によっては大学院を勉強するところと勘違いしていることがあります。
このような場合、「修士課程に入ったら~~~を勉強したい」といったような、勉強計画になってしまうことがあります。
また、研究をやるところだと思っていても、やったことがないので、具体的なイメージを描くことができないこともあります。
このような場合には、大学院での研究を小中学校の自由研究と同じように捉え、例えば先行研究の調査等を行わず、根拠なく思いつくままに書いてしまうこともあります。
社会人の場合には、所属する会社の事業的な問題を解消したいといった、的外れな内容を作成してしまう場合もあります。

代行を利用している

「私は代行を利用しました」と書く人はいないでしょう。
しかし「この人の背景からこういった研究計画は思いつかないだろう」といった内容の場合、代行を疑われます。
面接時にはこの可能性を念頭に、細部を問い詰められるでしょう。
代行を利用していれば、当然こういった質問には適切に回答できませんので、「ああ、代行を利用したのだろうな」と確信を持たれ、低評価は免れません。

盗用(コピペ行為)をしている

研究においては、決してやってはならないことがあります。
いわゆる研究不正というもので、代表的なものは捏造、改ざん、盗用です。
捏造と改ざんは研究成果に関するものなのでここでは通常生じませんが、盗用は研究計画においてもみられます。いわゆるコピペ行為です。
コピペを行うと、文章がつぎはぎになり一貫性がありませんので、意外と簡単に見抜かれます。そして即座に不合格になります。
ChatGPT等の生成AIを使用した場合も同様の扱いになることがありますので、注意が必要です。
なお、研究不正が研究室内で生じると、研究室を主宰する先生は懲戒処分の対象になります。場合によっては大学をクビになります。
不正をしたのが学生であっても、監督責任を問われます。
先生にも生活がありますから、こういった問題を起こしそうな、倫理観に問題がある者の指導を担当することはありません。

度を超えて内容が間違えている

研究とは新しいことを発見する行為ですし、人間完璧にはできませんから、大学教員はミスや間違いに関しては寛容な傾向があります。
しかし、それでも限度があります。
あまりに勉強不足で、例えばその分野の学部生なら誰でも知っているような概念や理論を間違っているような状況は、とても許容されません。

完成度が低い

人間ミスをしますから、片手で数える程度の誤字脱字であれば許容されます。
しかしあまりに多かったり、フォントがバラバラだったり、フォーマットを守っていなかったり、図表が手書きだったり、こういった完成度が低いものについては、評価者は読むのを諦めてしまうでしょう。

 

基本的な作成ルールを守っていない

研究計画とは通常、①研究の背景と目的、②文献調査(文字数制限によっては無し)、③手法、④想定される結果、⑤実行計画、といった定番の流れがあります。
分野によって多少違いがありますから、完全にこの通りになる必要は無いにしても、あまりに必要な情報が不足していては問題です。

文献調査のやり方を理解していない

研究とは、これまでの研究成果から得られた知見に、新たな知見を積み重ねていく活動です。
そのため、これまでの研究論文や文献を十分調査し、それに依拠して研究の意義や新しさを述べなければなりません。
しかしこのルールを理解していないと、この文献調査の部分に、Wikipediaやニュース記事、また一般書籍を並べてしまうことがあります。
このような研究計画は、即座にNG判定を下されてしまうでしょう。

具体性がない

研究ではその目的を達成するために、データを取って、分析して、検証します。
代表的な研究の流れの一つです。
しかし、どうやってデータを取るのか、どういった変数を考えるのか、どういった分析手法を使うのか、こういった項目について細部が無いことは問題です。

実行可能性・実現可能性がない

例えば研究手法のところで、「企業1,000社にアンケート調査をして、データ分析して結果を出す」と書かれていたとします。
では、どうやって企業1,000社にアンケートを実施するのでしょうか。
専門業者に委託すると、大体100~200万円ほどかかります。自分で払うのでしょうか。それとも先生に出してもらう前提なのでしょうか。
お金が無いからと自分でやるとすれば、回収率が下がります。50社戻ってくれば良い方でしょう。しかし50社では満足に統計分析できません。
そしてそもそも、分析対象として適切な企業が1,000社、本当に存在しているのでしょうか。
このように、それっぽく書いているようにみえて、実行可能性が検討されていないものは、計画として不適格です。

新規性がない

研究とは、過去の研究の積み重ねのうえで、新しい発見を探求するものです。
そのため、研究の新規性は研究計画では必須項目です。
十分に先行研究を調査し、これまでわかってきたことを整理したうえで、自分の研究の意義と新しさを丁寧に説明しなければなりません。
これがないと、研究として成り立ちません。

希望する研究室や指導教員のテーマと合致していない

修士課程においては、併願は普通ですから、研究テーマの使いまわしが行われることは現実的にあるでしょう。
しかしそれでも、指導教員と関連性が無いものや薄いものは評価のしようがありません。
「他の先生の方がいいですよ」としか言いようがないでしょう。

受験のための研究計画になっている

とある大学院に入りたい場合、そこでの内容に合わせて、そして自分がやりたいかどうかを無視して、研究計画を作る場合があります。
これは、アプローチとして正しい部分もあります。
しかし研究内容に熱意も思い入れも感じられないなら、それは大いに問題です。
研究はうまくいかないことばかりなので、最後までやり切るためには強い想いが必要です。
「合格するために作りました、他はどうでもいいです」といった内容では、評価されません。
こういった態度は、面接において見抜かれることになります。

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